「工事の住民手みやげは交際費」税務調査で指摘

 東証一部上場の矢作建設工業(名古屋市東区)が名古屋国税局の税務調査を受け、2011年3月期までの7年間で約1億円の所得隠しを指摘されていたことが判りました。重加算税を含め約4000万円の追徴課税を受け、既に修正申告し納税したという事です。

 指摘を受けたのは、建設工事の際、騒音や車両交通の増加などで迷惑をかけるとして、地元住民に配る手みやげなどの「近隣対策費」。同社は経費として「工事原価」に算入していたが、国税局はこれを課税対象となる「交際費」と判断しました。また下請けへの発注工事費に紛れ込ませ、意図的に利益を圧縮したとして、重加算税も課されたとみられます。

 一般の会社でも、接待費や取引先などへの贈答品代などを経費に算入すれば、利益が圧縮され、納める法人税額は減ります。租税特別措置法は、矢作建設のような資本金1億円超の大企業は、こうした費用の全額を課税対象としています。
 ただ、全国建設業協会は2005年から「近隣対策費は、工事を円滑に施工するための必要経費で、一般の交際費とは異なる。課税範囲から除外してほしい」と繰り返し国に要望していました。

 矢作建設の2012年3月期の連結売上高は約624億円。広報担当者は「近隣対策費は工事原価に含むことができると考えてきた。指摘は真摯に受け止めている。意図的に隠したわけではないが、何に使われたか、正確には把握していない」と話しています。